
子どもからの理不尽な要求・・・
どうやっても泣き止まない子ども・・・
もうこっちが泣きたいよ〜ってなることがたくさんありますよね。
子どもの心に届く言葉が見つからず、何度も言ってもわかってもらえずイライラを爆発させて、言わなくていいことを言って後悔したり。。
頭を抱えて悩む日々が続きました。
そんな悩みを変えてくれたのが「親業」です。
今日は「親業」について自分の体験談を元にご紹介させていただきます。
- 子育てに悩んでいる方
- 子育てのイライラが止まらない方
- 子どもとの効果的なコミュニケーション方法を探している方
- 子どもの考える力、自分で解決する能力を伸ばしたい方
親業って何?
この記事を読まれている方は「親業」を知らない方がほとんどだと思うので、簡単に説明させていただきますね。
まず親業の創始者は、アメリカの臨床心理学者であるトマス・ゴードン博士(1918〜2002)です。
ゴードン博士は、子どもが問題行動を起こしたり非行に走ってしまう原因は、親とのコミュニケーションにあるのではないかと考えました。
そして、親とのコミュニケーション方法を改善することで、子どもたちの問題行動を減少させることにつながると発見したのが、「親業」の原点です。
ゴードン博士は『親業』の中でこう伝えています。
ー親はしろうとである
ほとんどなにも自分でできない小さな人間の肉体的、精神的健康に全責任を負い、生産的、協調的で、なにか貢献のできる社会人に育てあげるという親業に。これほど困難で、能力や努力を必要とする必要とする仕事がほかにあるだろうか。
トーマス・ゴードン著『親業』2-3頁から引用
私たちは、子どもが生まれた瞬間に有無を言わさず「親」になります。
でも、事前に親になるために学校に行ったり、親としてどうあるべきかの講義を受けたりすることはありませんよね。
私も含めほとんどの方が、育ててくれた親がしてくれたように、または、育児本から得た知識などを参考に見よう見まねで育児を行っていくのではないでしょうか。
ゴードン博士は、この暗中模索で行われている子育ての手助けになればと、「親業」を1962年にカルフォルニアでスタートさせました。
親業は当初、問題行動を起こした子どもの親(家庭)が対象とされてきました。
しかし、アメリカ国内で広まるうちに、幼い子どもをもつ親、子どものいない夫婦にも十分に役立つ講座として認知されるようになってきました。
そして現在、「親としての役割を効果的に果たすための訓練」=「親業訓練講座」(英語名 PET:Parent Effectiveness Training)として全世界に広まっています。



日本の親業訓練協会HP▶https://www.oyagyo.or.jp/contents/index.html
親業を始めたきっかけは友達のSNS投稿
私が親業を知ったきっかけは、前職の同僚がFacebookで「親業の一般コース修了しました!」と投稿していたのを目にしたことでした。
当時は、まだ子どももおらず「親業ってなんだろ~」と軽くスルーしただけ。
それから数年後、長女が生まれ母親になり、大変ながらも初めての子育てを楽しんできました。2歳くらいまでは…
私が子育てが辛くなったのは、言葉を話し始め、やっとコミュニケーションが取れるようになってきた!と思った頃からです。。
- なんでも自分でやらないと気が済まない
- 親の意向は100%そっちのけ
- 何度言っても同じことを繰り返す
- 気にくわないことがあるとひっくり返って延々と泣く
- ちょっとしたことでキレて癇癪(かんしゃく)を起こす
- 怒ってしまったもんなら「怒った」ことに対して泣く
お子さんをお持ちの方なら「あ〜あるある」だと思いますが。。
当時の自分は、二人目の不妊治療をスタートしホルモン剤を服用していたので、その副作用もあって情緒が不安定な毎日。
それに加えて、子どものイヤイヤ期、さらに2人目を妊娠してすぐ始まった赤ちゃん返りにイライラが抑えきれず発狂寸前。
毎日、親子で泣いて、泣き疲れて眠る日が週に何度もありました…
このままじゃいけない…
- 効果的なコミュニケーション方法(声のかけ方)はないのか
- 自分のイライラを抑える方法はないのか
問題解決できる方法を、書籍やインターネットで探し回りました。
図書館のいわゆる「育児本」はほとんど読み尽くしましたが、あまり現実世界は変わらず。。
そこで思い出した「親業」の二文字。
すがる思いでネットで調べました。
「親業」とは「親子の効果的なコミュニケーション方法が学べる講座」だということを知り、これだ!と思い、まずは本を購入しました。
本を読んでみて、「親業」の基本的な考え方や、効果的なコミュニケーション方法の取り方はなんとなくわかりました。
でも、実際の生活でどうやって取り入れていけばいいのか…実践的な使用方法がつかめず「講座」を受講することを決意しました。



親業講座の受講方法
親業の講座はホームページから受講申し込みができます。
親業講座▶︎親業訓練協会(講座予定一覧)
親業訓練協会のページから、受けたい講座を選択、通える場所の講座があるかどうかをチェック、講師の名前をクリックすると、申込みフォームがポップアップしてくるので必要事項を入力し送信します。
後日、講師の方から連絡が来てから参加確定となります。



初めての方は、
- ゴードン博士のコミュニケーション講座(6時間 6,000円+税)
- 親業訓練講座・一般講座(3時間 x 8回 30,000円+税)
上記どちらかの講座からスタートするのが一般的です。一般講座は時間もお金もかかるので、基礎を知りたいという方は「ゴードン博士のコミュニケーション講座」を受けてみるとよいと思います。
「ゴードン博士のコミュニケーション講座」
…基本的なことを短時間でぎゅっと凝縮して学べます。
「親業訓練講座・一般講座」
…コミュニケーションのロールプレイを何度も実践します。親側だけでなく子ども側の気持ちを体感することもできます。
実際にコミュニケーションを改善したい相手を想定して、効果的な会話を考えるので即実生活で使えました。
親業で学べる3つの柱
親業で学べる「効果的なコミュニケーション方法」にはの3つの柱があります。
- 「能動的な聞き方」
- 「わたしメッセージ」
- 「勝負なし法」
それぞれどんな内容か簡単に説明しますね。
能動的な聞き方
「聞く」には2つの聞き方があります。
- 受動的な聞き方
- 能動的な聞き方
の2つです。
受動的な聞き方とは
「ウンウン」「そうだね」「なるほど」と受け身(受動的)に聞くこと。
この方法でも聞いてくれてるな…という感じはしますが、ずっとこれで聞いていると、聞き流されている感じがしたり、話が前に進まなかったりします。
次にお話しする「能動的な聞き方」を使うと、受動的な聞き方よりも効果的にコミュニケーションを進めることができます。
能動的な聞き方とは
受動的な聞き方とは、話し手の心を開き、整理へ導く聞き方です。
その聞き方は、相手が言ったことを
- 繰り返す
- 要約する
- 気持ちをくみ取る
聞き方です。例えをあげると…
子ども:「今日、保育園で○○ちゃんと喧嘩しちゃったんだ…」
親:「○○ちゃんと喧嘩して悲しかったんだね?」←気持ちをくみ取る
聞いた話を繰り返したり、気持ちをくみ取ってもらえると、大人でも共感してもらえた感じがして気分がすっきりしてきますよね。
幼い子どもで自分の気持ちを言葉でうまく表現できずに、ふくれてる、泣いている、ふせているような場合も、親の方で「こんな感情なのかな?」と感情をくみとって言葉で表現してあげると、うなずいたり反応が返ってくることがあります。



わたしメッセージ
相手の行動を変えて欲しいとき、二つのメッセージ方法があります。
- わたしメッセージ
- あなたメッセージ
です。
「あなたメッセージ」
「あなた(You)メッセージ」は、主語が「あなた=You」です。
たとえば…
(シチュエーション:子どもが何度言っても靴をぬぎっぱなし…)
「(あなた)なんで靴ぬぎっぱなしなの?」
「(あなた)靴ぬいだらそろえてよ!」
のように…
あなたメッセージでコミュニケーションを進めると、相手は「命令されている」「責められている」気持ちになりやすいです。
「わたしメッセージ」
一方で「わたし(I)メッセージ」は、主語が「わたし=I」です。
相手の心に届きやすい、効果的なコミュニケーション方法は「わたしメッセージ」です。
親業では「わたしメッセージ」を三部構成で使う方法を習います。
「あなたの行動」+「私への影響」+「私の感情」
相手の行動が自分にどんな影響があって、どういう感情になるのかを伝えます。
≪三部構成のわたしメッセージ≫
たとえば…
(シチュエーション:子どもが何度言っても玄関で靴をそろえない)
わたしメッセージ:
「○○が靴をぬいだままにしておくと(あなたの行動)、
ママが毎回靴をそろえなくてはならなくて(私への影響)、
嫌だし疲れちゃうな(私の感情)」
わたしメッセージで伝えると、私への影響とどういう感情になるかを相手を責めずに伝えることができます。
この方法で伝えると、相手が行動を変えてくれやすくなります。
三部構成のわたしメッセージを使っても、相手が行動を絶対に変えてくれるわけではありません。
親業では、他にも下記のような問題解決策も教えてくれます。
たとえば…
- 環境改善
- 自分(の価値観)を変える
- 勝負なし法を使って話し合う
「環境改善」は、たとえば「玄関に靴型のシートを張って、ここにお靴をぺったんこしてね~!」とか、環境に手を加えて問題を解決する方法です。
「自分を変える」は、自分の価値観を見直してみること。「靴をそろえなきゃいけない」という価値観はどこからくる?と見直していきます。
「勝負なし法」は次で詳しく説明しますね。
勝負なし法
親と子の間で対立(問題)が起こった場合、
- 第一法:親(自分)が勝つ
- 第二法:子(相手)が勝つ
- 第三法:自分も相手も満足できる方法(勝負なし法)
の3つの解決方法があります。
第一法を使うと子どもに不満が残ります。そして第二法を使った場合は、子どもに譲るので親に不満が残ります。
親業では「第三法」=「勝負なし法」で問題を解決やり方を教わることができます。第三法は、自分も相手も満足できる方法を話し合いで見つけていく方法です。
勝負なし法のやり方は、親と子どもがまず問題点を互いに認識し、自分が考えつく解決方法をできるだけたくさん出し合い(出すときには、良い悪いの意見は言わないようにします)ます。
全部アイデアが出きったら、アイデアひとつずつに対し親子それぞれ実現可能か〇✖をつけていきます。この時は、絶対に正直に・無理をしないのがポイントです。
お互いに〇がついたアイデアを実際に実行していき、数週間~一か月くらいたってみたら改善点がないかなど話し合いで見直します。
紙とペンを使うので別名「紙とペンの方法」とも呼ばれます。
この方法の最大のメリットは、「参加の原則」にあります。子どもも自分のアイデアを出して問題解決に取り組んでいるので、決まったことを守ってくれやすいんです。
親業を受けた感想



おおげさに聞こえるかもしれませんが、本当にそう実感しています。
- 子どもとの関係が好転した
- 自分の考えを素直に伝えるようになった
- 問題が起きたときの解決方法が身についた
- 夫や親兄弟とのコミュニケーションが変わった
- 人の話をきちんと聞けるようになった
とはいえ、親業で習ったことを100%活かせきれている訳ではありません。
24時間いつも「親業」を使ったコミュニケーションを心がけているわけではありません。
「親業」が力を発するのは、問題がおきたとき!
- 子どもが「幼稚園行きたくない」と言ったとき
- 子どもが「野菜は食べたくない」と言ったときetc・・・
親業を学んでいたから乗り切れたそんな場面が既に何回もありました。
親業はこんな人におすすめ
正直に言えば「親業」を知らずとも子育てはできます。
これまで自分の親を含め、多くの親が「親業」を学ばずとも、子どもを育てあげてきたのがその証明だと思います。
ただ、講師の先生が「知っていたらもっと違った子育てができていたのに」と何度も講座の中でおっしゃっていました。
もし、この記事を読まれている方で、「もっと子どもの心に届く、効果的なコミュニケーション方法が知りたい」と思われている方がいたら親業の講座はきっと役に立つと思います。



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